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たかいきとからす

高い木とからす

小川 未明

「こくみん三年生」1946(昭和21)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,947 字 · 4 页

青空文庫

林の中に、一本、とりわけ高いすぎの木がありました。秋が近づくと、いろいろの渡り鳥が飛んできて、その木のいただきへとまりました。群れをなしてくるものもあれば、なかには、つれもなく、一羽だけのものもありました。

村の子供たちは、そのさえずる声を聞いて、自由に、大空を飛んでいける鳥の身の上をうらやんだのであります。

「あの木に、もちぼうをつけておけば、鳥がとれるね。」

「とっても、飼い方を知らなければ、しかたがないじゃないか。」

友だちが、こんな話をしていると、重ちゃんが、そばから、

「どんな鳥も、すり餌をやれば、いつくんだよ。」といいました。

しかし、その木のいただきまで上れるものは、重ちゃんくらいのもので、ほかの子には、目がまわるほど、あまりに高かったのです。

ある日、新しいしらせがはいって、子供たちの間で、話に花がさきました。それというのは、からすが、あの高いすぎの木に巣をつくったというのでした。

「それは、ほんとうかい。どうして、こんな人のたくさんなところへ巣をつくったろうね。」

そういった子供は、からすは、毎朝早く、まだ暗いうちから、山を出て、遠い里へいき、また晩方になると、いく組も列をなして、頭の上を鳴きながら、山へ帰るのを見たからです。