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たかいきとからす

高い木とからす

小川 未明

「こくみん三年生」1946(昭和21)年9月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,947 字 · 4 页

青空文庫

このとき、どこからかもどったからすが、木の下に人の立っているのを見つけると、警戒するように、カア、カアと、仲間を呼びました。

重ちゃんは、自分も、友だちの助けなしに、ひとり木に上って、巣をとれないとさとったので、この日は、そのまま帰ることにしました。

ところが、あくる日は、ひどい風でありました。おじいさんは庭へ出て、たなにのっている鉢をかたづけていられました。

「おじいさん、台風だろうかね。」と、重ちゃんは聞きました。

「とうとうやってきたな。この風は、いまにもっとひどくなるだろう。」と、おじいさんはおっしゃいました。

そのうち、雨と風がもつれあって、ますますひどくなり、はたして、家も木立も、地上にあるいっさいのものが、もみくちゃにされそうに見えました。

重ちゃんは、またおじいさんのそばへいって、

「この風では、鳥の巣なんか、飛んでしまうだろうね。」と、聞きました。

「どこかに、巣があるのか?」と、おじいさんはいわれました。

「あの高いすぎの木に、からすが巣をつくったんだよ。しかし、木が大波にもまれるようだろう。」

「だが、からすはりこうな鳥だから、日ごろ、こんなときの用心をしているかもしれない。