轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
まぞう
魔像
林 不忘
新版大岡政談
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 131,494 字 · 260 页
些細な事にきまってる。どうせ笑い話になるだろうとは思ったが、念のため、邸内の道場において腕に見どころのある、用人若党らを四人引きつれ、仁平を案内に、浅香慶之助が屋敷を出たのが、ちょうど五ツ半が四ツへ廻ろうとする頃で、ふり返れば、蜂須賀中納言の屋敷の森に、芝居めいた下弦の月が白かった。
あれから真っ直ぐに大通りへ出て、間もなく、九段下へさし掛かる。
一行五人、ぶらぶら歩きである。夜道だ。主従という堅ッ苦しさもいつの間にか脱れて、一同、気やすな心もちだった。
黙って歩けない。
ばか話がはずむ。
賑やかな笑い声を、夜更けの町に流して行った。
やがて、九段下から中坂のほうへ曲ろうとするとき、向うにぽっちり人影が見えて来たが、夜遊びにでも出た若侍であろうと、誰も気にする者はない。
おびえているところだから、これだけの人数で大迫玄蕃を脅かして、あとから笑いにしてやろうと、ワイワイ相談しながら歩いて行く。
すれ違おうとした。
と、向うから来かかった人間が、先に立ち停まったから、浅香慶之助の一行も、何気なく足をとめて見守ると、
「おう、浅香ではないか――」
という声に、ハテ誰であろう? いぶかしく思いながら、