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あゆのくいかた
魯山人の食卓
北大路 魯山人
北大路魯山人『魯山人の食卓』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鮎の食い方、いなせな縞の初鰹、鰻の話、京都のごりの茶漬け、車蝦の茶漬け、塩昆布の茶漬け、鍋料理の話、握り寿司の名人、日本料理の基礎観念、鱧・穴子・鰻の茶漬け、一癖あるどじょう、河豚は毒魚か、鮪の茶漬け、鮪を食う話、味覚馬鹿、夜寒に火を囲んで懐しい雑炊。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,022 字 · 115 页
鮎の身を取った残りのもの、つまり鮎のあらだ。小魚のあらなんていうのはおかしいが、なんといっても鮎であるから、それを焼いてだしにするとか、または焼き豆腐やなにかといっしょに煮て食うと美味いにはちがいない。
それにしても、こんなにたくさんあるとはいったいどういうわけだろうと、子ども心にふしぎに思って聞いてみた。すると、魚屋のいうのには、京都の三井さんの注文で、鮎の洗いをつくったこれはあらだという。
私はずいぶんぜいたくなことをする人もいるものだなあと驚き、かつ感心した。それ以来、鮎を洗いにつくって食う法もあるということを覚えた。しかし、その後ずっと貧乏書生であった私には、そんなぜいたくは許されず、食う機会がなかった。それでも、今からもう二十五年も昔になるが、遂に私もこの洗いを思う存分賞味する機会を得た。加賀の山中温泉に逗留していた時のことである。
山中温泉の町はずれに、蟋蟀橋という床しい名前の橋があり、その橋のたもとに増喜楼という料理屋があった。鮎とか、ごりとか、いわなとか、そういった深い幽谷に産する魚類が常に生かしてあって、しかも、それが安かった。