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あゆのくいかた
魯山人の食卓
北大路 魯山人
北大路魯山人『魯山人の食卓』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鮎の食い方、いなせな縞の初鰹、鰻の話、京都のごりの茶漬け、車蝦の茶漬け、塩昆布の茶漬け、鍋料理の話、握り寿司の名人、日本料理の基礎観念、鱧・穴子・鰻の茶漬け、一癖あるどじょう、河豚は毒魚か、鮪の茶漬け、鮪を食う話、味覚馬鹿、夜寒に火を囲んで懐しい雑炊。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,022 字 · 115 页
江戸前の寿司というものは、よほど注目に価し、魅力に富むものらしい。握りが自慢になるのは、上方寿司の風情のみに堕し、生気を欠くところに比較してのことである。あえて「江戸前」と書くゆえんは、上方寿司と江戸握りとの相違をはっきりさせ、江戸前がだんぜんうまい点を認め、その寿司を食べさせるんだというところにある。とにかく江戸前寿司は日本中に有名になったわけである。
江戸前寿司の上方寿司と異なるところは、材料、味つけおよび技法の相違にある。これはいうまでもないが、まず第一は生気のあるなしである。江戸前寿司は簡単で、ざっくばらんな調理法を用い、お客の目の前で生きのいいところをみせ、感心させながら食べさせるところに特色がある。それに、まぐろの脂肪がすこぶる濃厚でありながら、少しも後口に残らぬという特徴があって、まさに東京名物として錦上花を添えている。このごろ京阪流箱寿司は、上方の何処の地方にもはやってはいるが、なれ寿司を基調とする調理に意気のない野暮ったさが、即興に生きる江戸ッ子には、とんと迎えられる様子もない。わたしは当然のことと、あえて訝しく思わない。蓋し江戸人と上方人との相違がある。