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あゆのくいかた

魯山人の食卓

北大路 魯山人

北大路魯山人『魯山人の食卓』。同一底本的分册已合并为一书。收入:鮎の食い方、いなせな縞の初鰹、鰻の話、京都のごりの茶漬け、車蝦の茶漬け、塩昆布の茶漬け、鍋料理の話、握り寿司の名人、日本料理の基礎観念、鱧・穴子・鰻の茶漬け、一癖あるどじょう、河豚は毒魚か、鮪の茶漬け、鮪を食う話、味覚馬鹿、夜寒に火を囲んで懐しい雑炊。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,022 字 · 115 页

青空文庫

。そして後を引いてくる。ふぐを食わずにはいられなくなる。この点は酒、タバコに似ている。

ひとたびふぐを前にしては、明石だいの刺身も、おこぜのちりも変哲もないことになってしまい、食指が動かない。ここに至って、ふぐの味の断然たるものが自覚されてくる。しかも、ふぐの味は、山におけるわらびのようで、その美味さは表現し難い、というふぐにも、もちろん美味い不味いがいろいろあるが、私のいっているのは、いわゆる下関のふぐの上等品のことである。いやふぐそのものである。

ふぐ汁や鯛もあるのに無分別

ふぐでなくても、無知な人間は無知のために、なにかで斃れる失態は、たくさんの例がある。無知と半可通に与えられた宿命だ。

それでなくても、誰だってなにかで死ぬんだ。好きな道を歩んで死ぬ、それでいいじゃないか。好きでなかった道で斃れ、逝くものは逝く。同じ死ぬにしても、ふぐを食って死ぬなんて恥ずかしい……てな賢明らしいことをいうものもあるが、そんなことはどうでもいい。

芭蕉という人、よほど常識的なところばかりを生命とする人らしい。彼の書、彼の句がそれを説明している。「鯛もあるのに無分別」