轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
あんこういっせきわ
鮟鱇一夕話
北大路 魯山人
「独歩」1952(昭和27)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,674 字 · 4 页
獅子文六氏との対談で、熱海の福島慶子女史は「アメリカのパン、あんなもの問題じゃない。金魚の餌でしょう」とタンカを切っておられたが、その味覚識見はさすが見上げたものだ。そうはっきりいってのけられるだけのパン食通は、ざらにあるものではない。「うちの親爺(夫君のこと)はタマネギや肉の一杯はいっているオムレツが大好きなのよ」と田舎者扱いするところなど、女史もなかなか隅におけないおひとだ。
ところで、このわたしは、幼年時代から七十年の長期に渉って、日本料理を研究し続けているので、普通人とは少しばかり違うなにかを持っている。さて、そのうぬぼれで女史の日本料理観を随筆から探ると、まるっきり外人の日本料理観としか受け取れない。憶えざかりを十三年、日本を留守にしたひとのことであるから無理もないが、それにしても経験の浅さが、なに恐れるところなく筆を走らせているかのようだ。元来日本のことは何事によらずむずかしいことであるが、とりわけ美術と料理はむずかしく、位人臣をきわめたとて、美術と料理は分りにくいようである。その難問題をいとも簡単に勘所を掴んで説き起こし、説き去られるということは女史の聡明さを証明するものであろう。