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おうがいぎょしとはだれぞ

鴎外漁史とは誰ぞ

森 鴎外

1900(明治33)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 6,099 字 · 12 页

青空文庫

そして予はこの好処の我を動かすことが、昔前人の好著を読んだ時と違わぬことを知った。鴎外は殺されても、予は決して死んでは居ない。予は敢て言う。希臘語に「エピゴノイ」ということがある。猶此に末流と云うがごとしだ。新文学士諸家も、これと袂を聯ねて文壇に立っている宙外等の諸家も、「エピゴノイ」たることを免れない。今の文壇は露伴等の時代に比すれば、末流時代の文壇だというのだ。予はこの文の局を結ぶに当って、今の文壇の諸家が地方新聞を読むや否やは知らぬながら、遥に諸家に寄語する。諸家は予などと違って、皆春秋に富んで居られるではないか。今より後に、諸家はどうぞ奮って、予が如き門外漢までを、大に動かすような作と評とを出して下さい。そうして予をしてかつて無礼にも諸君に末流の称を献じた失言を謝せしめて下さい。鴎外は甘んじて死んだ。予は決して鴎外の敵たる故を以て諸君を嫉むものではない。明治三十三年一月於小倉稿。(明治三十三年一月)