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ヒューマン ロスト
HUMAN LOST
「新潮」1937(昭和12)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,769 字 · 24 页
以後は、
一、十一年十一月より十二年(二十九歳)六月末までサナトリアム生活。(病院撰定は、S先生、K様、一任。)
一、十二年七月より十三年(三十歳)十月末まで、東京より四、五時間以上かかって行き得る(来客すくなかるべき)保養地に、二十円内外の家借りて静養。(K氏、ちくらの別荘貸して下さる由、借りて住みたく思いましたが、けれども、この場所撰定も、皆様一任。)
右の如く満一箇年、きびしき摂生、左肺全快、大丈夫と、しんから自信つきしのち、東京近郊に定住。(やはり創作。厳酷の精進。)
なお、静養中の仕事は、読書と、原稿一日せいぜい二枚、限度。
一、「朝の歌留多。」
(昭和いろは歌留多。「日本イソップ集」の様な小説。)
一、「猶太の王。」
(キリスト伝。)
右の二作、プランまとまっていますから、ゆっくり書いてゆくつもりです。他の雑文は、たいてい断るつもりです。
その他、来春、長編小説三部曲、「虚構の彷徨。」S氏の序文、I氏の装幀にて、出版。(試案は、所詮、笹の葉の霜。)
この日、午後一時半、退院。
汝らの仇を愛し、汝らを責むる者のために祈れ。天にいます汝らの父の子とならん為なり。