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ヒューマン ロスト
HUMAN LOST
「新潮」1937(昭和12)年4月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,769 字 · 24 页
越中富山の万金丹でも、熊の胃でも、三光丸でも五光丸でも、ぐっと奥歯に噛みしめて苦いが男、微笑、うたを唄えよ。私の私のスウィートピイちゃん。
あら、
あたし、
いけない
女?
ほらふきだとさ、
わかっているわよ。
虹よりも、
それから、
しんきろうよりも、きれいなんだけれど。
いけない?
一週間、私は誰とも逢っていません。面会、禁じられて、私は、投げられた様に寝ているが、けれども、これは熱のせいで、いじめられたからではない。みんな私を好いている。Iさん、一生にいちどのたのみだ、はいって呉れ、と手をつかぬばかりにたのんで下さって、ありがとう。私は、どうしてこんなに、情が深くなったのだろう。Kでも、Yでも、Hさんでも、Dはうろうろ、Yのばか、善四郎ののろま、Y子さん。逢いたくて、逢いたくて、のたうちまわっているんだよ。先生夫婦と、Kさん夫婦と、Fさん夫婦、無理矢理つれて、浅虫へ行こうか、われは軍師さ、途中の山々の景色眺めて、おれは、なんにも要らない。
乃公いでずんば、蒼生をいかんせむ、さ。三十八度の熱を、きみ、たのむ、あざむけ。