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まるまるじゅう
○○獣
海野 十三
「ラヂオ子供のテキスト」日本放送出版協会、1937(昭和12)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 21,139 字 · 43 页
これで支配人の禿げ頭がキラキラと光っているところがうつってでもいれば、もっと胸がスーッとすくだろうに。
敬二は、壊れた石塊の上に腰を下ろして、ドン助がどこへいったのだろうかと、心あたりを一つ一つ数えはじめた。
「あ、あなたです。ワタクシ、よく覚えています――」
物思いにふけっていた敬二は、いきなり黄いろい女の金切り声とともに、腕をムズとつかまれた。
顔をあげてみると、それは十円紙幣をくれた鳶色のちぢれ毛の外国婦人だった。やっぱり大きい黒眼鏡をかけて、白っぽいコートをひきずるようにきていた。
「この間は、どうも有難う」と、敬二はお礼をのべた。
「あなた、ひどい人ありますね。なぜ約束、破りました」
「えッ、約束なんて――」
「破りました。ニュースを二十円で、ワタクシ買いました。外の人にきっと話すことなりません、約束しました。ところが今日の新聞、みな○○獣のこと書いています。大々的に書いています。それでもあなた大嘘つきありませんか」
「ま、待って下さい。ぼ、僕はなにも知らないのです。喋ったとすれば、ドン助が喋ったのかもしれません。僕は喋らない」
「ドン助? ああ、あの太った人ですね。