轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
阪井はぐっと頭をそらして倒れそうになったがじっと姿勢をもどして片手を大地からはなさない。
「畜生!」
「ばかやろう!」
「恩知らず」声々がわいた。
「なぐるのは手のけがれだ、つばをはきかけてやれ」
とだれかがいった。つばの雨がかれの顔となく首となく背中となく降りそそいだ。
「ばかやろう!」
最後に手塚がつばをはきかけた。
「手塚、おまえまでが」
巌はじっと手塚を見詰めたので手塚は人中へかくれた。
「さあ帰ろう」とライオンがいった。「最後にのぞんで足であいつの頭をなでてやろう、さあみんな一緒だぞ、一! 二! 三!」
げたの乱箭が飛ぶかと思う一刹那。
「待ってくれ」
はらわたをえぐるような声と共に柳は巌の身体の上にかぶさった。
「待ってくれ、阪井は火傷をしてるんだ、あやまりにきたものをなぐるって法があるか、火傷をしてるものを撲るって法があるか」
つるが病むときには友のつるが翼をひろげて五体を温めてやる、ちょうどそのように柳はどろやつばによごれた阪井の全身をその胸の下に包み、きっと顔をあげて瞋恚に燃ゆる数十の目を見あげた、その目には友情の至誠が輝き、その口元にはおかすべからざる勇気があふれた。