轻松读懂日语经典作品
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ああぎょくはいにはなうけて
ああ玉杯に花うけて
佐藤 紅緑
「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页
臆病は虚偽の基である、かれは講義をなしつつあるあいだに突然こういうときがある。
「眠い人があるか」
「あります」と千三が手をあげた。
「庭に出て水をあびてこい」
先生は千三の正直が気にいった。
冬がきた、正月も間近になる、せめて母に新しく綿のはいったもの一枚でも着せてやりたい、こういう考えから千三は一生懸命に働いた、しかも通学は一晩も休まなかった、かれは先生の家をでるとすぐぐらぐら眠りながら家へ帰る夜が多かった。
と、災厄はつぎからつぎへと起こる、ある夜かれが家へ帰ると母が麻糸つなぎをやっていた、いくらにもならないのだが、彼女はいくらかでも働かねば正月を迎えることができないのであった。
「ただいま」
千三は勢いよく声をかけた。
「お帰り、寒かったろう」と母は火鉢の火をかきたてた、灰の中にはわずかにほたるのような光が見えた、外はひゅうひゅう風がうなっている。
「寒いなあ」と千三は思わずいった。
「お待ちよ。いま消し炭を持ってくるから」
母は麻糸をかたよせてたとうとした。
「おや」
母は立てなかった。
「おや」
母はふたたびいって立とうとしたが顔がさっと青くなって後ろに倒れた。