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ああぎょくはいにはなうけて

ああ玉杯に花うけて

佐藤 紅緑

「少年倶楽部」1927(昭和2)年5月号~1928(昭和3)年4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 126,617 字 · 250 页

青空文庫

とするやつがあるか」

先生の目には憤怒の涙が輝いた、生徒はすっかり感激してなきだしてしまった。

「新聞の広告や、町の看板にも不心得千万な左からの文字がある、それは日本を愛しないやつらのしわざだ。諸君はそれに悪化されてはいかん、いいか、こういう不心得なやつらを感化して純日本に復活せしむるのは諸君の責任だぞ、いいか、わかったか」

この日ほどはげしい感動を生徒にあたえたことはなかった。

「カトレットはえらいな」と人々はささやきあった。

光一はこのほかにもっとも尊敬していたのは校長の久保井先生であった。元来光一は心の底から浦和中学を愛した。とくに数多の先生に対しては単に教師と生徒の関係以上に深い尊敬と親しみをもっていた。校長は修身を受け持っているので、生徒は中江藤樹の称をたてまつった。校長の口ぐせは実践躬行の四字であった、かれの訓話にはかならず中江藤樹がひっぱりだされる、世界大哲人の全集を残らず読んでもそれを実地におこなわなければなんの役にもたたない、たとえばその……こう先生はなにか譬喩を考えだそうとする。先生は譬喩がきわめてじょうずであった、謹厳そのもののような人が、どうしてこう奇抜な譬喩がでるかとふしぎに思うことがある、たとえばその、ぼたもちを見て食わないと同じことだ、ぼたもちは目に見るべきものでなくして、口に