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あほうどりのなくひ

あほう鳥の鳴く日

小川 未明

「童話」1923(大正12)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,725 字 · 16 页

青空文庫

「なんにしてもいい剥製ですな。」と、先生は、ため息をもらしました。

「いや、剥製ではありません。生きているのです。もう年をとったので、いつもこうして眠っています。」と、男は答えました。

先生は、不思議なことが、あればあるものだと、ふたたび、びっくりしました。この先生もどちらかといえば、あまり人と交際をしない変人でありましたが、こんなことから、隣の男と話をするようになりました。

ある朝、あほう鳥が鳴きました。男は、なにかあるな? と胸に思いました。

はたして、隣の先生がやってきました。そして、大事に扱うから、ちょっとあほう鳥を学校へ貸してくれないかと頼みました。男は、あほう鳥をひとり手放すのを気遣って、自分も学校まで先生といっしょについていきました。

こんなことから、男は、多数の生徒らに向かって、昔、南のある町を歩いているときに、子供を助けたこと、それから、その子供といっしょに働いたこと、子供は、どんな鳥でも自分の友だちにすることができたこと、この鳥は、その青年が分れるときにくれて、いままで長い月日の間を、この鳥と自分は、いっしょに生活をしてきたことなどを、物語ったのであります。