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あほうどりのなくひ
あほう鳥の鳴く日
小川 未明
「童話」1923(大正12)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 7,725 字 · 16 页
その鳥は、黙っていました。そのうちに、また、一羽残らず夜のうちに、どこへか飛んでいってしまいました。町の人たちは、なにか悪いことがなければいいがと、おそれていました。
「あの汚らしいふうをした乞食の子は、悪魔の子だ。見つけしだいにひどいめにあわせて、この町の中から追い払ってしまえばいい。」と、ある人々はいっていました。
数日後のこと、若者は、雇われ口を探しながら歩いていますと、先日の汚らしいふうをした子供が、職人体の男にいじめられているのを見ました。
「おまえは、どこから、この町へなどやってきたのだ。このごろは町にろくなことがない。火事があったり、方々でものを盗まれたりする。なんでも、口笛を吹く子供があやしいといううわさだが、おまえは口笛を吹くか? はやく、どこかへいってしまえ。」と、男は子供をにらみつけて、胸のあたりを突いて、あちらへ押しやっていました。
子供は、黙って、うつむいていました。これを見た若者はそばへやってきました。
「かわいそうなことをするものでありません。この子供は、あなたに悪いことをしましたか? 口笛を吹くということが、どうして悪いのですか?」