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おしゃれどうじ

おしゃれ童子

太宰 治

他从小就是个臭美精,领奖时偷偷让白衬衫袖口多露出一点,袖扣还得闪闪发亮。那种没人懂的孤独打扮,越看越可爱。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,978 字 · 12 页

青空文庫

たしかに少年は、やけくそになっているとしか思えません。カシミヤの白手袋を、再び用いました。唐桟、角帯、紺の腹掛、白線の制帽、白手袋、もはや収拾つかないごたごたの満艦飾です。そんな不思議な時代が、人間一生のあいだに、一時は在るものではないでしょうか。なんだか、まるで夢中なのです。持ち物全部を身につけなければ、気がすまぬのです。カシミヤの白手袋が破れて、新しいのを買おうとしても、カシミヤのは、仲々無いので、しまいには、生地は、なんであっても白手袋でさえあればという意味で、軍手になりました。兵隊さんの厚ぼったい熊の掌のように大きい白手袋であります。なにもかも、滅茶滅茶でした。少年は、そのような異様の風態で、割烹店へ行き、泉鏡花氏の小説で習い覚えた地口を、一生懸命に、何度も繰りかえして言っていました。女など眼中になかったのです。ただ、おのれのロマンチックな姿態だけが、問題であったのです。

やがて夢から覚めました。左翼思想が、そのころの学生を興奮させ、学生たちの顔が颯っと蒼白になるほど緊張していました。少年は上京して大学へはいり、けれども学校の講義には、一度も出席せず、雨の日も、お天気の日も、色のさめたレインコオト着て、ゴム長靴はいて、何やら街頭をうろうろしていました。