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おじいさんのいえ

おじいさんの家

小川 未明

「おとぎの世界」1919(大正8)年4月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,150 字 · 11 页

青空文庫

そうして、もう呼んでも、起き上がって尾を振ることもできなかったのであります。

「あんまり、おまえがほえるものだから、だれかに悪いものを食べさせられたのだよ。」と、お母さんは、ボンの頭をなでて、いたわりながらいわれました。

姉さんは、ボンの苦しむのを見てかわいそうに思って、さっそく獣医のもとへボンを車に乗せて連れていこうといいました。お母さんもそれがいいというので、正雄は車を迎えにゆきました。そのうち車がきましたので、ボンを乗せて、姉さんと正雄はついてゆきました。

獣医のもとへいってみますと、ほかにもたくさんの、病気の犬や猫が入院していました。ほかの病気の犬は、檻の中から、くびをかしげて、新たにきた患者をながめていました。獣医はさっそくボンの診察にかかりました。

診察の結果は、お母さんのいわれたとおり、だれかに毒の入った食物をたべさせられたのだろうということです。医者はボンの体を子細に検べていましたが、後足についている傷痕を指さして、

「この傷は、いつつけたのですか。」と聞きました。

「その傷は二、三か月前に、やはりだれかにいじめられてつけたのでございます。