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おじいさんのいえ

おじいさんの家

小川 未明

「おとぎの世界」1919(大正8)年4月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,150 字 · 11 页

青空文庫

正雄は、たしかにボンが帰ってきたのだと思いましたから、

「だって、ちっともボンと変わりがないじゃありませんか。どうしてもこれはボンです。」と正雄はいいはりました。

「ボンは後足に傷痕があったはずだから、そんなら検べてみればわかるでしょう。」と、姉さんはいいました。

正雄は、犬を抱くようにして、その犬の後足を検べていましたが、急に大きな声をたてて、

「これ、こんなに後足に傷痕があります。」と叫びました。お母さんも、姉さんも、みんなそばにきて、それを見て、びっくりしました。

「まあ、どうしてボンが生きかえってきたろう……。」

と、不思議がりました。

とにかく、ボンが帰ってきたのだというので、肉をやったり、ご飯をやったり、お菓子をやったり、ボンが好きであったものをやったりして、家じゅうは急ににぎやかになったのでありました。そうして、正雄は、また明日から朝早く起きていっしょに散歩をし、学校から帰ってきてもいっしょに散歩することのできるのを喜んだのであります。

するとその日の晩方のことでありました。白いひげの生えたおじいさんが戸口を入ってきて、

「あ、ここに家の犬がきていたか。