轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

おくみさんとそのしゅうい

お久美さんと其の周囲

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,369 字 · 149 页

青空文庫

丈夫らしい腕に一杯洗物を引っかけて手早く一つ一つ繩のより目に挾んでは止木を掛けて居る様子を思い浮べたりして居た。

祖母の家に居るのだから出入に何にも億劫な事はないのだけれ共ついつい延び延びにして居て来てから七日目の晩大変好い月に気が軽くなった※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子は、祖母を誘ってとうとう山田の家へ出かけて行った。

庭からズーッと裏に廻った二人ははてしなく続いた畑地に出た。

霧のしっとりした草深い小道の両側にはサヤサヤとささやかな葉ずれの絶えずする玉蜀黍がズーッと一列に並んで、薯や何かの低い地を被うて居る作物の上には銀粉を散らした様な細まやかな閃きが躍って居る上をフンワリとかぶせた様なおぼろげな靄が気付かない程に掛って居た。

ゆるい勾配の畑をかなり行き抜けると小高くなった往還を越えた向うがもう山田の家で、高い杉並木が道一杯に真黒に重い陰を作って居る間から、チラチラと黄色い灯がのぞいて何かゴトゴトと云って居る人声が聞えて来た。

高い中でも飛び抜けて太くて大きい二本杉が門の様になって居る所からだらだら坂を下りて右に折れるともう主屋で、何となしモヤモヤした空気と物の臭いが四辺に立ち迷って居た。