轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
おくみさんとそのしゅうい
お久美さんと其の周囲
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,369 字 · 149 页
一定の仕事の無い上に絶えず目算ばかり立派に立てて居る主人は何一つとしてまとまった事にはせず、年が年中貧亡に攻められながら「今に何かやって見せるぞ」と云う二十代からの望みをはたすためにあくせくして居た。
けれ共彼のする事は皆人並を脱れた事ばかりで、出放題な悪口を云って見たり借り倒したり、僅か許りを小作男に賃貸してやって期限に戻さないと云って泣いてたのむのを聞かずに命より大切がって居る一段にも足りない土地を取って仕舞ったりして居たので、遠慮のない憎しみが山田の家へ村中から注ぎかけられて居た。
若し山田の夫婦がもう少し人間並であったらもうとうに此の村等には居られない程長い間には種々ひどい事も云われて来たのだけれ共、図々しくなって居るお関と無人格な様な主人の耳にはかなり和らげられて響いて居たのである。
「なあに、何でもないさ。
わし等を嫉んで奴等下らん事を云うとる。
と主人は楽観して居て、自分達に加えられる批難の多ければ多い程自分の仕事は大きな力ある物なのだとさえ考えて居た。
或る時は鉱山師であり或る時は専売特許事務所の主人でありしたけれ共、いずれも只一時の事で、かなり山田の主人として成功した事と云えば七八年前から始めて今に至って居る西洋洗濯であった。