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おくみさんとそのしゅうい
お久美さんと其の周囲
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第一巻」河出書房、1951(昭和26)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,369 字 · 149 页
した。
※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子は明かにお久美さんの霊を宇頂天にさせて居る何かが有るのを知ると共に、常とまるで異って感じの鋭くはでやかに成って居る顔を面白く見守って居た。
いつも此の位晴れ晴れと美くしくあって欲しいとさえ思われた。
「ほんとにまあ、貴女も辛いわねえ、
あんな人の傍に居るんだから。
何か好い事が無いでしょうかねえ。
「ええ、ほんとよ。
伯母さんさえ人並で居て呉れたらと思う事よ。
伯父さんは変だけれ共彼那じゃあないもの。
でも此頃はほんとに好いわ、私。
最後の一句をお久美さんは何とも云えない細く優しい声で心から云って、こみあげて来る感情を押えるに力の足りない様に膝をムズムズ動かしたり下を向いて後れ毛を丁寧に耳のわきに掻き上げたりした。
※(「くさかんむり/惠」、第3水準1-91-24)子は何だか心に陰が差して来る様な気持になって、
「何がそんなに好いの、此の頃。
私にも半分位分けても好いでしょう。
貴女みたいに嬉しそうな事はちっとも私には来ないんだから。
と云って淋しく微笑んだ。
「まあ。
何でもないのよ。
第一私そんなに嬉しがってやしないわ。