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おねえちゃんといわれて
お姉ちゃんといわれて
小川 未明
「博愛 737号」1951(昭和26)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,152 字 · 5 页
」と、たのみました。
こういわれたので、お母さんは、びっくりして、
「まあ、そんなことがあったのですか、それは、なにかおばあさんの、お考えちがいで、ありませんか。しかし、あんなおてんばですから、もし失礼をしましたら、どうぞごめんくださいまし。」と、おわびなさいました。
「いえ、そんなつもりで、いったのでないのですよ。私に気がつきませんから、なにを怒っていらっしゃるのか、お光ちゃんに、おききしてもらいたいのです。こないだも、お姉ちゃんと声をかけますと、下を向いて、にげていって、おしまいなさるのです。きっとなにか怒っていらっしゃるに、ちがいありません。」と、子供の心がわからぬまま、おばあさんは、母親にきいてもらうよう、笑いながらたのんだのでした。
「まあ、そんなまねを、光子がしたのでございますか。」と、お母さんは、顔を赤くして、おばあさんに、きまりのわるい思いをなさいました。
「いいえ、けっして、お光ちゃんをしからんでください。自分に、わけが思い出せないから、おききしたのです。」と、おばあさんも、とがめるつもりで、いったのでないと、恐縮しました。
お母さんと、おばあさんの、二人は、たがいに心がわかると、へだてなく、笑いながら、世間の話などして、別れたのでした。