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かくれんぼ
かくれんぼ
斎藤 緑雨
「かくれんぼ」春陽堂、1891(明治24)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,434 字 · 17 页
へ特筆大書すべき始末となりしに俊雄もいささか辟易したるが弱きを扶けて強きを挫くと江戸で逢ったる長兵衛殿を応用しおれはおれだと小春お夏を跳ね飛ばし泣けるなら泣けと悪ッぽく出たのが直打となりそれまで拝見すれば女冥加と手の内見えたの格をもってむずかしいところへ理をつけたも実は敵を木戸近く引き入れさんざんじらしぬいた上のにわかの首尾千破屋を学んだ秋子の流眄に俊雄はすこぶる勢いを得、宇宙広しといえども間違いッこのないものはわが恋と天気予報の「ところにより雨」悦気面に満ちて四百五百と入り揚げたトドの詰りを秋子は見届けしからば御免と山水と申す長者のもとへ一応の照会もなく引き取られしより俊雄は瓦斯を離れた風船乗り天を仰いで吹っかける冷酒五臓六腑へ浸み渡りたり
それつらつらいろは四十七文字を按ずるに、こちゃ登り詰めたるやまけの「ま」が脱ければ残るところの「やけ」となるは自然の理なり俊雄は秋子に砂浴びせられたる一旦の拍子ぬけその砂肚に入ってたちまちやけの虫と化し前年より父が預かる株式会社に通い給金なり余禄なりなかなかの収入ありしもことごとくこのあたりの溝へ放棄り