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きのこかいぎ

きのこ会議

夢野 久作

「九州日報」1922(大正11)年12月4日

N1 · 挑战 · 新字新假名 · 1,516 字 · 4 页

青空文庫

そのくせ椎茸さんのような畠も作ってくれません。こんな風だと今に私共は種子を撒く事が出来ず、子孫を根絶やしにされねばなりません。人間は何故この理屈がわからないかと思うと、残念でたまりません」

と涙を流して申しますと、皆も口々に、

「そうだ、そうだ」

と同情をしました。

するとこの時皆のうしろからケラケラと笑うものがあります。見るとそれは蠅取り茸、紅茸、草鞋茸、馬糞茸、狐の火ともし、狐の茶袋なぞいう毒茸の連中でした。

その大勢の毒茸の中でも一番大きい蠅取り茸は大勢の真中に立ち上って、

「お前達は皆馬鹿だ。世の中の役に立つからそんなに取られてしまうのだ。役にさえ立たなければいじめられはしないのだ。自分の仲間だけ繁昌すればそれでいいではないか。俺達を見ろ。役に立つ処でなく世間の毒になるのだ。蠅でも何でも片っぱしから殺してしまう。えらい茸は人間さえも毎年毎年殺している位だ。だからすこしも世の中の御厄介にならずに、繁昌して行くのだ。お前達も早く人間の毒になるように勉強しろ」

と大声でわめき立てました。

これを聞いた他の連中は皆理屈に負けて「成る程、毒にさえなればこわい事はない」