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そのさくはひつようか

その柵は必要か

宮本 百合子

「新日本文学」1949(昭和24)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 14,783 字 · 30 页

青空文庫

の規定についてもまじめな研究をよびさまさなかった理由である。

すくなくともわたしのふれた範囲では、「勤労者文学」の規定について、ふみこんだ討議がされないままに、『勤労者文学』が創刊された。民主主義文学の理論にたずさわる人まで既成の熟語のように「勤労者文学」という言葉を用いるようになった。そういう事情いかんにかかわらず、『勤労者文学』は、この二年の間、民主主義文学の新しい土地をひらき、新しい作家をみちびきだし、価値を否定することができない努力をつづけて来たのである。

二 現状について

『文学サークル』第九号に、『勤労者文学』の発展をめざして行われた徳永直と小田切秀雄の討論の要約がのせられている。アンケート用として整理されたものである。両者の主張の整理のしかたに、整理した人のはかりのかたむきが解答への暗示となってちらついているし、アンケート用として適当だと感じられない。が、大体この討論は小田切が「革命性ぬきの勤労者文学」と批判したのを反駁して徳永が労働者階級の文学の革命性というものが具体的に、こんにちまでどんな経路をたどって来たかを主張している討論である。