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ちょうとみっつのいし
ちょうと三つの石
小川 未明
「婦人倶楽部」1921(大正10)年5月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,385 字 · 9 页
それを知った村の人は、気の毒に思いました。
「おまえさんは、まだ若く、美しいのだから、お嫁にゆきなさるがいい、ゆくならお世話をしてあげます。」と、女に向かって、しんせつにいってくれるものもあった。
女は、夫が死ぬときに、先へいって待っているという、約束をしたことを思い出すと、そんな気にはなれませんでした。
「死んだ主人に対してすまない。」と、女は答えました。
しかし、村の人は、女のいうことをかえって笑いました。
「人間というものは、死んでしまえば、ろうそくの火の消えたようなものだ。それよりも、生きているうちがたいせつなのだから。」と申しました。
女は、そうかと思いました。急に、心細いような感じがして、ついに、お嫁にゆく気になってしまいました。
女は、機織りの家に、二度めに嫁いだのであります。そして、今度は、一日じゅう機を織って、夫の仕事を助けました。夫は、また、妻をかわいがりました。女は、前に水車場の男に嫁いだ日のことを忘れて、いまの夫を、なによりもたいせつに思うようになりました。
女は、織物の入った、大ぶろしきの包みをしょって、街道を歩いて、町へ出ることもありました。