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ちょうとみっつのいし
ちょうと三つの石
小川 未明
「婦人倶楽部」1921(大正10)年5月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,385 字 · 9 页
女は年をとりました。そして、いつか女自身が、墓にゆく日がきたのであります。
女は、仏さまに、どうかあの世へとどこおりなくいけるようにと祈りました。そして、ついに目を閉じるときがきました。
女は、この世を去ったのです。けれど、霊魂は女の念じたように、あの世へゆく旅に上りました。
女は、長い道を歩きました。うららかに日が当たって、野も、山も、かすんで見えました。夢の国の景色をながめたのであります。女は、やさしい仏さまに道案内をされて、広い野原の中をたどり、いよいよ極楽の世界が、山を一つ越せば見えるというところまで達しました。
「さあ、もうじきだ、この山を越すのだ。」と、仏さまはいわれました。
女は、青竹のつえをついて、山を上りはじめました。やがて、峠に達しますと、そこに三人の男が立って待っていました。三人は、自分たちの待っている女が、この一人の女であるということを知りませんでした。三人は、女を見ると、
「おまえのくるのを待っていた。」といって、三方から寄ってきました。女はびっくりしてしまいました。よく見ると、第一の夫と、第二の夫と、第三の夫であったのです。