轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちょうとみっつのいし
ちょうと三つの石
小川 未明
「婦人倶楽部」1921(大正10)年5月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,385 字 · 9 页
すると、仏さまは、
「おまえは、どういうような気持ちで、たびたび結婚をしたのか。」と、おたずねになりました。
女は、自分一人で暮らしてゆけないから結婚をしたとも、気恥ずかしくて申されませんでした。
「そんな信仰のないものは、あの世へゆくことはできない。おまえは、ちょうになって、もう一度下界へ帰って、よく考えてくるがいい。そして、ほんとうにまどわない悟りがついたら、そのとき、あの世へやってやる。」と、仏さまは女に申されました。
また、仏さまは、三人の男に向かって、
「女がほんとうに悟りがついて、永久に変わらない自分の夫を見分けがつくまで、ここに待っているがいい。」といわれました。
やがて、女の姿は、ちょうとなりました。そして、夕日の空に向かって、どこへとなく飛んでゆきました。
三人は、峠で、十年、百年、幾百年と待ちました。そのうちに、三人は、三つの石になってしまいました。けれど、下界に去ったちょうは、いまだに悟りがつかないとみえて、花から花へと、美しい姿をして飛びまわっていて、帰ってこないのであります。