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「どうかんがえるか」について
「どう考えるか」に就て
宮本 百合子
「改造」1946(昭和21)年2月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,397 字 · 9 页
日本で、戦争中、どれだけ沢山の有能な若者が死んで行ったろう。彼等はどのように自分の置かれた立場を理解し、省察し、批判したであろうか。
日本の当局は、若い精神とその洞察力とを極度に恐れた。通信はやかましく検閲され、帰還するとき日記をつけていたものはとり上げられて焼かれた。今日、わたし共は、愛する若者たちの命によって書かれた只一冊の「戦没学生の手紙」さえも持ち得ないのである。
この事実は、死なされた人々の問題ではない。生きている人々にとっての問題であり、特に今日の青年たちの内的支柱にとって、重大な関係がある。
戦争目的のために若い世代は考えることを禁ぜられた。激しい生活の諸現象は、本能的に若い精神を揺り動かすのだけれども、何を捉えて、どう考えを展開させて行ってよいのか判らない状態におかれている。ここに、日本の文化の深奥において、思想性はいまだ確立されていなかった過去の悲劇的な投影があるのである。
あらゆる時期と場合にあらゆる変形をもって、合理的な判断を守り、沈黙することは決して思索し、批判することをやめることではない。思想は、人間が生きているということと全く切りはなせないものであるという自覚が、各人の日常生活態度に浸透しつくしていなかった。