轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どこかにいきながら

どこかに生きながら

小川 未明

「童話」1946(昭和21)年7月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,469 字 · 9 页

青空文庫

それだけでなく、野良犬の隠れ場所でもあるのを気づくと、また、そこを一刻も早く去るのをちゅうちょしませんでした。母ねこは、べつに心当たりもなかったから、子供を口にぶらさげたままふたたび町の方へ引っ返したのです。

秋も末のころで、町の中は、いたって静かでした。その日は、風もなく、青い空から、太陽が、あたたかに、家々の屋根を照らしていました。母ねこは、窓の開いた、ふとんを干してある、二階家が目につくと、大胆にも塀をよじのぼりました。いまは、どんな冒険をしても、子ねこのために、いい場所を探し出さなければならぬと思ったのです。さいわい人がいなかったので、すぐ座敷へつれてきました。自分も、かたわらへながながと臥て、乳をのませました。これが、いつまでもつづくものなら、母子のねこは、たしかに幸福だったでしょう。普通の飼いねこなら、ぜいたくでもなんでもないのだが、二匹には、許されぬ望みでありました。わずかばかりの安息が、恐ろしいむくいで、仕返しされねばならなかったのです。はしご段を上ってきた、おかみさんが、大騒ぎをして、なぐる棒を取りにいきました。おかみさんは、宿なしねこに入り込まれてはたいへんだ。