轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

どぶろくげんそう

どぶろく幻想

豊島 与志雄

「群像」1952(昭和27)年2月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 10,452 字 · 21 页

青空文庫

戦争中わたしがどんなにいじめられたか、ひとには分りません。そしてこんどは、千代乃を殺しました。あんたたちは、しばしば、日本の軍部だの何だのと言いますが、ボスは軍部よりひどい。日本の国内で、日本の婦女を自殺させました。もし自殺しなければ、きっと刺し殺したでしょう。しかも、罪はどこにありますか。第三国人のわたしを愛したのが罪でしょうか。ああ、千代乃が可哀そうです。そしてわたしも、可哀そうです。」

周さんには、憤りと悲しみとが交々起って来るのだった。

復讐、ということも周伍文は考えてみた。暴力を以てではなく、法廷に持ち出しての抗争。だが、それは全く見込みないことが分った。先刻来ていた中老の男は、張というひとで、周から相談を受けて、いろいろ研究してみた結果、全然だめだということになった。こちらに弱みがある上、先方の尻尾はどこも掴めなかった。そして単に自殺なのだ。

張は仲間うちでの有力者で、こんどのことについて、周の一切の面倒をみてやった。周はもう土地に嫌気がさして、また横浜に立ち退くことになっていた。千代乃の葬式は簡単に済まし、横浜に移転してから改めて喪に服するつもりだった。