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ねずみのぼうけん
ねずみの冒険
小川 未明
「小学四年生 17巻12号」1940(昭和15)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,912 字 · 4 页
空き地に勇くんと賢二くんが、すずめをさがしていたのです。しかも打つことの上手な賢二くんは、空気銃を持っていました。
「あっ、ごらん、ねずみがあんなところを渡っている。」と、先に見つけたのは、勇くんでした。すずめが電線に止まっていると思ったのが、あにはからんや、ねずみでありました。
「ねずみがこんなことをするかなあ。」と、賢二くんはこれを見て、むしろあきれていました。
「賢ちゃん、打つのは、およしよ。」
「ああ。」
賢二くんは、これを打つのはなんでもなかったが、ねずみのこの健気な冒険に対して、じゃまをする気持ちになれませんでした。
「渡ったら助けてやって、おっこちたら打つといいね。」
勇くんは、こういいました。賢二くんは、だまって、ただ、ねずみの渡るのを身動きもせずにじっと見守っていました。ねずみは、おどろくべき注意力をもって、とうとう渡りおわって、あちらの赤い屋根へつきました。このとき、思わず、二人は、手をたたいて、ねずみのために、成功を祝したのであります。