轻松读懂日语经典作品
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ひとりすもう
ひとりすまう
織田 作之助
「海風 第三号」1938(昭和13)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,706 字 · 40 页
一つぼくの友達になってくれませんか」と言った。ぼくは悪い気はしなかった。いったい年上の大学生に尊敬されるなどとはくすぐったい話だが、くだらぬことには一般に一高や三高などという所謂秀才の集るといわれている学校の生徒は、学校の名を鼻にかける傾向があるもので、その時も相手が私立大学の学生であってみれば、三高の生徒であるぼくが尊敬されるのも不思議ではないというつまらぬ虚栄心が働いていたのだろう、ぼくはすっかりやに下って了って、
「ぼくらは既に友達じゃありませんか」と言った。そしてぼくらは学生らしい所謂感激に満ちた、歯の浮く様な儀礼を暫くかわしていたが、轡川は突然、真剣な顔付きになったかと思うと、
「実は、明日子のことだけど、明日子はあなたにどんなこと話したんですか。ぼくのこと何か言ったでしょう。ぼくらは友達同志だから、卒直にありのままをきかせてくれませんか」と言うのだ。ぼくは失敗った、と思った。彼が友達になってくれとか、尊敬するとか言ったのはそれをきくためだったのだ、そう言えば、昨日彼がぼくに親切にしたり媚びる様な態度を見せたりしたのもこのことの予備行動ではなかろうか、そうぼくは思ったのだ。