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ひとわれをこうしきしゅぎしゃとよぶ

ひと吾を公式主義者と呼ぶ

戸坂 潤

「中央公論」1937(昭和12)年8月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,981 字 · 19 页

青空文庫

だからシステムのないものは活きたものだというのだ。安価の生命主義や何かはこの手を使うのであるが、相当の哲学者にもシステムをそういうものと考えている者は多い。W・ジェームズがヘーゲルをこき下す場合には専らこのやり方であり、H・リッケルトなどが「開放システム」というような変な言葉を使う際にもこういう想定に立っている。だがこんなものがシステムならば誰もシステムなどを手頼りにする筈はない。

システムは役に立つからシステムなのだ。公式も役に立つから公式なのである。単純に固定したものなら役に立つ筈はない。システムは体系化し組織化して行く処のものに他ならない。自分で肥って行くことがシステムでありオルガニズムである。体系や組織とは本来そういうもの以外にはないはずで、そうでなければ細胞のオルグなどということはナンセンスになる。そこで実際に思想内容を組織化し体系化して行くことだが、それはただやれない、実験とか経験とかいう感性的な媒介によって初めてシステムが育って行くのは知れた事だ。そうでないシステムは妄想にすぎないので、そういう非現実的なシステムは各種の精神病の典型によく現われる。