轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
もずとすぎのき
もずとすぎの木
小川 未明
「台湾日日新報」1937(昭和12)年4月16日
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,167 字 · 5 页
「私は、あの鳥が大好きよ。また来年も、あの木へきて鳴くといいわね。」といって、ながめていました。
もずは、これまで自分をいやな鳥だとか、乱暴な鳥だとか、いううわさをきいていましたが、いま、このかわいらしい女の子に、好きといわれたので、たいそう機嫌をよくしました。
「すぎの木さん、ここの景色はすばらしいじゃありませんか? 私は、きっとまた来年もやってきますよ。」といいました。
「もずさん、来年といえば、長い間ですが、諸国を飛びまわるあなたは、どうぞ体にお気をつけなさい。」と、すぎの木は、旅をつづける小鳥の身の上を心配していったのです。
「ありがとうございます。あなたの身の上にもしあわせのあるように祈っています。」といって、もずは、青空を飛んで、どこへか姿を消してしまいました。
いつしか、冬がきて、また春となり、夏が過ぎて、とうとう約束の翌年の秋がめぐってきました。もずは、山から山へ旅をつづけているうちに、ふと去年のことを思い出しました。
「あのすぎの木は、どうなったろう?」
そう思うと、つぎからつぎと去年のことが思い出されて、なつかしくなりました。もずは、野原を越して、山を越して、見覚えのある村へと飛んできました。