轻松读懂日语经典作品
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ろまんどうろう
ろまん灯籠
「婦人画報」1940(昭和15)年12月~1941(昭和16)年6月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 37,222 字 · 74 页
次男は蒲団を引きかぶったままである。母堂は、それを、ただ静かに眺めて笑っている。さとは、誰にも相手にされない。ひっそり、そこに坐って、暫く待ってみたが、何という事も無い。おそるおそる母堂に尋ねた。
「よほど、お悪いのでしょうか。」
「さあ、どうでしょうかねえ。」母は、笑っている。
突然、次男は蒲団をはねのけ、くるりと腹這いになり、お膳を引き寄せて箸をとり、寝たまま、むしゃむしゃと食事をはじめた。さとはびっくりしたが、すぐに落ちついて給仕した。次男の意外な元気の様子に、ほっと安心したのである。次男は、ものも言わず、猛烈な勢いで粥を啜り、憤然と梅干を頬張り、食慾は十分に旺盛のようである。
「さとは、どう思うかねえ。」半熟卵を割りながら、ふいと言い出した。「たとえば、だね、僕がお前と結婚したら、お前は、どんな気がすると思うかね。」実に、意外の質問である。
さとよりも、母のほうが十倍も狼狽した。
「ま! なんという、ばかな事を言うのです。冗談にも、そんな、ねえ、さとや、お前をからかっているのです。そんな、乱暴な、冗談にも、そんな。」
「たとえば、ですよ。」次男は、落ちついている。