轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
わがまち
わが町
織田 作之助
「文藝 第十巻年十一号」改造社、1942(昭和17)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 25,869 字 · 52 页
「あんぽんたん奴! ああいう根性やさかい、ぼやぼやして怪我もするねや。」
と、他吉は報らせを聴いて言ったが、しかしもう怒った顔も見せられず、毎日病院を見舞った。
君枝はもちろん三等病室で寝泊りし、眠れぬ夜は六日も続いたが、二十日ばかり経つといくらか手がはなせるようになった。その代り、病院の払いに追われだした。貯金帳はすっかりおろし、保険会社からも借りた。売るものも売ったが、それでも足らず、頼りにする鶴富組の主人は△△沖の方へ出張していた。次郎をひいたトラックの運転手はよりによって夫の死後女手ひとつで子供を養っている四十女で、そうときけば見舞金も受け取れず、
「貴女が悪いのんとちがいま。うちの人がなんし水の中ばっかしで暮してはって、陸の上を歩くのが下手糞だしたさかい。」
と、笑って突きかえした。
恐縮して帰って行くその女運転手の後姿を見ながら、君枝はふと、自分も看病の合間に運送屋の手伝いをしてみようかと思った。河童路地の近くに便利屋というちっぽけな運送配達屋がある。引越し道具のほか、家具屋、表具屋、仏壇屋などから持ちこまれる品物の配達をしているのだが、近頃は手不足で折角の注文を断ることが多いときいていたので、君枝は早速掛け合ってみた。