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わがせいしんのしゅうい
わが精神の周囲
「群像 第四巻第一〇号」1949(昭和24)年10月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,670 字 · 32 页
これを逆に云えば、是が非でも生きぬいて仕事を完成しなければならぬ、という胸の思いでもあるのであろう。逆のようだが、この二つは同じことだ。帰する所は、仕事がすべて、という一事だけだ。
私は今に至って、さとったが、精神の衰弱は自らの精神によって治す以外に奥の手はないものである。専門医にまかせたところで、所詮は再発する以外に仕方がない。
内臓の疾患などは、その知識のない患者にとって如何とも施す術がないけれども、精神の最上の医者は、自分以外にはいない。私が今、切にもとめているのは肉体上の健康で、精神はハッキリ、たゞ私だけのものであることを悟るに至った。
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しかし、精神の健康とは、何を指すのであろうか。たとえば、「仕事がすべて」という考え方が、すでに、あるいは不健康であるかも知れない。その場合には、私は、すでに言うべき言葉はない。たゞ知りつゝ愚を行い、仕事を遂げるだけのことである。すくなくとも、芸術の方法は、それ以外にはないようである。
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私は伊東へくる車中で、人と喧嘩をしようとした。私は何より喧嘩などは好まぬ方で、酒に酔っ払っても、喧嘩はしたことがない性分である。