轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
カンナとオンナ
カンナとオンナ
北大路 魯山人
「独歩」1953(昭和28)年
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 1,832 字 · 4 页
わたしはビールを飲む。詩人はウイスキーを飲んでいる。
わたしは、出来上がった料理にかけるため、かつおぶしをけずる。カンナを使ってけずる。
詩人は、目を見張っていう。
「先生、ずい分、立派なカンナですね。まるで、大工が使うような、カンナですね」
「これは、大工たちが使うカンナの中でのいちばん上等だよ」
「へえ、もったいないですね」
「どうしてもったいないのだ」
わたしは、不思議そうに詩人を見た。
詩人も、上等のカンナでかつおぶしをけずるわたしを不思議そうにみている。
「先生、そんな立派なカンナなら、なにも、かつおぶしをおけずりにならなくとも、立派に、大工道具につかえるではありませんか」
「大工道具に、立派に使えるほどの上等だから、かつおぶしがけずれるんだよ」
しばらくわたしの手許を見ていた詩人はつくづくといった。
「先生の、料理がおいしいのは、先生が、ぜいたくをしているからですよ。きっと、そうですよ、やっぱり、料理は、金をかけないとダメですね」
わたしはだまって、かつおぶしをかき了ると、一杯ビールを飲みほして、しゃべり出していた。
「およそ反対だね、君のいうことは……詩人には、金のねうちは分らんと見える」