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ジロリのおんな
ジロリの女
前半「文藝春秋 第二六巻第四号」1948(昭和23)年4月1日、後半「別冊文藝春秋 第六輯」1948(昭和23)年4月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 51,597 字 · 102 页
私は思った。美代子はむしろ、まごゝろを面にあらわして罪を謝し、兄の縁談とは別に、自分一個の求婚を考慮してくれ、という種則に好意を感じているのである。そしてその好意を感じたということが、自己嫌悪の絶叫となり、その怒りが、家へ、母へ、大浦一家へ呪いとなって、激情のトリコとなっているのではないか。
ジロリの御婦人が二人まで私の住所へお泊り遊ばすなどゝは天変地異のたぐいで、二度とめぐり合う性質のものじゃない。これこそ彼女らのジロリズムを中和せしめる機会というものであるから、私自身がタスキをかけて女房よりも忙しくお勝手で活躍してあげる。その合の手に子供が喧嘩をオッパジメルとその御仲裁にも立合わねばならず、三分毎に一分ぐらいはジロリストの御機嫌奉仕も致さねばならず、この忙しさは心たのしいものである。
御食事がすむ、姫君方はお疲れだから、それ御寝所の用意を致せというので、私があらゆる押入をひっかきまわして有るたけのフトンをつみ重ねてあげると二尺ぐらいの高さになる。御婦人方を笑わせておいて、ともかく報告に行ってきましょう、と私は病院へかけつけた。
衣子は私の報告をきいて、