轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
スウィスにっき
スウィス日記
辻村 伊助
辻村伊助『スウィス日記』。同一底本的分册已合并为一书。收入:スウィス日記、続スウィス日記(千九百二十三年稿)。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 216,275 字 · 410 页
はとどかない、オーベルホーフェンの、ちらちらとまたたく宿の灯は、入江の波に千々に砕けて、背ろの丘の中腹から上には、もう月の光はさし初めた。
小波をたてて、暗い水底にも、どことなく蒼味のある湖を走る、みよしに立てた白十字の国旗に、風は音もなくそよそよとあたって、酔い覚めには少しうすら寒い、半時間ばかりでシュピーツの城の水際に着いて、別れて同じ舟をかえすと、遥る遥ると見渡される湖水のなかほどから北は、蒼白ろくぼうっと光って、すぐ右手につき出した、ベヤテンベルクの斜面は、草原か、斜めに浴びた月光に、絹帽を逆か撫でしたような光沢がある。
次の日シュピーツの人達に招かれて、また湖を渡っていった。夕方城の下から汽船に乗ると、遅れて来た近藤君をしきりにじろじろ見ていた英人の宣教師があった、やがて側に出かけて、貴君は日本の方ですかと尋ねた、そして
「横浜におるウォルター・ウェストンを知ってますか」
「古い友人ですよく知ってます」
「おおウォルターは私の弟です……」意外かな、私達はたちまち一つのベンチに集まって、それからそれと話し込んだ、成程云われて見ればよく似た面立ちで、氏の名はロバート・ウェストン、私は国にいる時分、度々横浜にウェストン氏を尋ねたが、ある夜晩餐の後、氏の書斎で示された絵葉書は、グンテンのパルク・ホテルで、そう