轻松读懂日语经典作品
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ズラかったしんきち
ズラかった信吉
宮本 百合子
「改造」1931(昭和6)年7~9月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 54,656 字 · 110 页
「――お前さん達は笑ってる! けんど、私は思ったね、消費組合は誰のもんだ! 一カペイキ半は僅かな銭だ。そう云って、みんながちょろまかしたら、消費組合はどうなるだろうか。……プロレタリアのものをプロレタリアがちょろまかす――そりゃボリシェビキのすることじゃない。私はそう思った。勘定書を書き直して貰った。売子はさんざっパラ悪態ついたよ、邪魔くさいって――」
ちょっとまごついて黙ってから掃除女は、
「話はこれだけです。――私は、われわれんところで消費組合はいつもキッチリ働いてるとは限らないってことを云いたかったんです」
聴衆の中がガヤついて根の深いところから揺れ出した。
「管理がうまく行ってねえんだ!」
「政府だって、うまく管理してるとは云えねえ」
「タワーリシチ!」
信吉は、思わず目と耳とをひったてた。オーリャだ!
「タワーリシチ。マルーシャは確にわれわれに一つのいい実例を話してくれた。けれども、われわれ〔三字伏字〕プロレタリアートはそれですぐ、今誰かが呻ったように、政府の管理がどうこうっていうことは云えないと思うんです。何故富農やその手先が、作物の活溌な流通を妨げるのか? 奴等の利益のために農村と都会の労働者との一致を妨げ、イガミ合いをさせようとしてるんです。