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シグナルとシグナレス

セロ弾きのゴーシュ

宮沢 賢治

宮沢賢治『セロ弾きのゴーシュ』。同一底本的分册已合并为一书。收入:シグナルとシグナレス、ざしき童子のはなし、ありときのこ、ペンネンノルデはいまはいないよ 太陽にできた黒い棘をとりに行ったよ。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,296 字 · 32 页

青空文庫

どの子もみんな、そのうちのお振舞によばれて来たのです。

ぐるぐるぐるぐる、まわってあそんでおりました。

そしたらいつか、十一人になりました。

ひとりも知らない顔がなく、ひとりもおんなじ顔がなく、それでもやっぱり、どう数えても十一人だけおりました。そのふえた一人がざしきぼっこなのだぞと、大人が出て来て言いました。

けれどもたれがふえたのか、とにかくみんな、自分だけは、どうしてもざしきぼっこでないと、一生けん命眼を張って、きちんとすわっておりました。

こんなのがざしきぼっこです。

それからまたこういうのです。

ある大きな本家では、いつも旧の八月のはじめに、如来さまのおまつりで分家の子供らをよぶのでしたが、ある年その一人の子が、はしかにかかってやすんでいました。

「如来さんの祭りへ行きたい。如来さんの祭りへ行きたい」と、その子は寝ていて、毎日毎日言いました。

「祭り延ばすから早くよくなれ」本家のおばあさんが見舞いに行って、その子の頭をなでて言いました。

その子は九月によくなりました。

そこでみんなはよばれました。ところがほかの子供らは、いままで祭りを延ばされたり、鉛の兎を見舞いにとられたりしたので、なんともおもしろくなくてたまりませんでした。