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ソヴェトのしばい

ソヴェトの芝居

宮本 百合子

「改造」1931(昭和6)年3、4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,289 字 · 53 页

青空文庫

が十一人ばかりいる。「功績ある芸術家」は四十人以上ある。

例えばモスクワ芸術座のルージュスキーなんか、役柄は西洋の松助みたいなところだが、革命前、アルバート広場の裏んところへ大きな邸宅をもって暮していた。革命当時一旦邸宅は没収されたらしいが、直ぐ、過去の功績に対して邸宅を与えられた。――すっかり政府がくれたんだ。今、ルージュスキーは、広い前庭のある立派なその家で、ゆったり暮している。画家でも、作家でも、科学者でも、ソヴェトの文化に真に価値ある功献をしたものは、こういう待遇をうけるのだ。

それにしても古くからの俳優と、МОСПС《エムオーエスペーエス》劇場、「劇場労働青年」劇場の連中との違いは、全く歴史的相異だね。

はじめっから出来が違うんだから、МОСПС《エムオーエスペーエス》にしろ、「トラム」にしろ、俳優演劇労働者は、みんな本当に工場の職場で働いていた連中だ。大部分がコムソモールだ。「トラム」のグループなんかは日常生活まで共産制にしてやっている。ソヴェトには、劇場の標準形態とでもいうようなきめがある。工場や役所にあると同じ「赤い隅」「図書部」