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ソヴェトのしばい

ソヴェトの芝居

宮本 百合子

「改造」1931(昭和6)年3、4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,289 字 · 53 页

青空文庫

――

勤労大衆だって思っていることは同じだった。だから、五ヵ年計画第二年めに新作バレー「蹴球選手」の上演が発表されるとそれは一般的な亢奮で迎えられた。

――どうでした?

――御承知のとおり何しろまるっきり新しいもんですからね。

――ようござんしたか?

――さあ。……とにかく見て御覧なさい。

成程。――

筋は蹴球選手と掃除女である女子共産青年との変愛に非階級的なメシチャニン(小市民)の若い男と女とがからむという組み合わせだが、本質的にこれが、王子、姫君、横恋慕をする髯面武士の配列とどう違うだろうか。王子が、ソヴェト製の黒と黄色い縞の運動襯衣をつけたフットボーリストに代っただけで、新しいソヴェトのプロレタリアートの生活感情は把握されてない。

ただ、フットボール競技場前の広場へ、アルバート広場に群っている通りな、いろんな物売りが出ていて、あっちから巡査がやって来るのを見るとパッと蜘蛛の子ちらすように逃げ出すところは、活々した日常生活の光景からの断片で、そこのところで笑わないものがなかった。

しかし、滑稽なことに、この一等活々したエピソードの場面は、実は「フットボーリスト」