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ソヴェトのしばい

ソヴェトの芝居

宮本 百合子

「改造」1931(昭和6)年3、4月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,289 字 · 53 页

青空文庫

詩劇として、ベズィメンスキーのこの制作は、ソヴェトのプロレタリア文学の問題として各方面で問題にされた。

マヤコフスキーとは別な意味で、社会的現象のつかみかたが弁証法的でない、という点が論議の中心であった。衝撃隊員は一人のこさずソヴェト式の善玉。妨害分子は一人のこさず悪玉ぞろい。その二つの型の間に、機械的なマルクシズム応用の対立があるだけで、真のボルシェビキらしい具体的な悪玉への働きかけや、職場の動揺している労働者へのよびかけ、親切な導きが一つも扱われていない。職場の現実は、決してそういうものではないというのだ。

この批判は、当っている。

しかし、「射撃」は少くとも、ウダールニクを中心として扱った最初の作品だった。メイエルホリド劇場が、五ヵ年計画によって新しく生れた社会現象を現実的な主題で上演した、第一のものでもあった。

メイエルホリド劇場の観客席は粗末な板ばりの椅子だ。脚へぐっと一本の棒を通して、十脚ぐらいずつ動かないようにしてある。その六列目にかけて見物していたら、幕間に――と云っても、メイエルホリド劇場にはするすると下りて来るカーテン幕はないから、つまり舞台から俳優が引っこんで、電車製作工場内部を示す構成だけ舞台の上にのこったとき、作者ベズィメンスキーが挨拶に出た。