轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ツルゲーネフのいきかた

ツルゲーネフの生きかた

宮本 百合子

「文化集団」1934(昭和9)年11月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 11,189 字 · 22 页

青空文庫

から出ているのだから――。

ツルゲーネフは、このヴィアルドオ夫人にめぐり会うまでに、多くの女を知っていた。二十歳前後でベルリンにいた頃は、ある裁縫をする小娘といきさつがあって、一緒に住んでいたバクウニンを大分煙ったく思った経験があるらしい。

ヴィアルドオ夫人と知ってから後もロシアに住んでいた五〇年代の初め三年間ばかり、ツルゲーネフは非常な美人であるが、文盲な農奴の娘であるアブドーチャ・イワーノ※(濁点付き片仮名「ワ」、1-7-82)と同棲していたことがある。アブドーチャはツルゲーネフの娘を生んだ。ツルゲーネフは結局この女を捨てた。後、娘が二十を越して或るフランス人と結婚するようになった時もツルゲーネフはその娘の母であるアブドーチャの行方は知らなかった。地主の旦那であるツルゲーネフにすてられてからその女は、どこかの目立たぬ役人の妻となって暮していたのである。この農奴の娘に対する無責任な交渉も、ツルゲーネフにとっては、のちのちまで心にかかるような深刻な問題として印象にのこる種類のものではなかったらしい。

こういうたちのツルゲーネフを器用なヴィアルドオ夫人が自身の芸術上の教養やパリの爛熟し、錯綜した社会の間で練られた世渡りの術やによって、こまごまと、嘘とまことを綯いまぜつつ賢く統帥して行ったであろう光景は、さながら