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ニューフェイス

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坂口 安吾

「小説と読物 第三巻第七号」桜菊書院、1948(昭和23)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,479 字 · 25 页

青空文庫

どうです」

「ハハア。さては、やりやがったな」

さっそく紺屋のサブチャンの手首をつかんで放さず、片手にショウコ物件を握って、質屋のセガレのシンちゃん、喫茶のノブちゃん、時計ラジオ屋のトンちゃん、酒問屋のハンちゃん、四名の者をよび集めた。

「さア、いゝかい。こゝへ集まったこの六人は江戸ッ児だよ。下町のお江戸のマンナカに生れて育ったチャキ/\なんだ。小学校も一しょ、商業学校も一しょ、竹馬の友、助け助けられ、女房にはナイショのことも六人だけは打ちあけて、持ちつ持たれつの仲じゃないか。それだけの仲なればこそ、ずいぶんイタズラもやってきましたよ。然し、何事も限度があるよ。こんなチッポケな店でも、開店といえばエンギのものだぜ。犯人は男らしく名乗ってもらいましょう。その隅の人」

「エヽヽ、その隅と仰有いますと、長谷川一夫に似た方ですか、上原謙の方ですか」

「ふざけるな。アンコウの目鼻をナマズのカクに刻みこんだそのお前だ」

「エッヘッヘ。主観の相違だねエ。わからない人には、わからないものだ。つきましては、サの字に申しあげますが」

「なんだい、サの字てえのは」

「それはアナタです。