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ニューフェイス

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坂口 安吾

「小説と読物 第三巻第七号」桜菊書院、1948(昭和23)年7月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,479 字 · 25 页

青空文庫

★

質屋の商売は世評のよからぬものである。そのくせヤミ屋やモグリの商売を誰も悪く言わないのだから、そうまで卑屈に親代々の商売にかじりついてる法はない。

さいわい町内にソバ屋の店が売物にでたから、これを買って、シルコ屋をはじめることになる。友達は有難いもので、古道具屋にオシルコの椀があったからと持ってきてくれたり、千鳥波などは、こういう時には役に立つ。餅臼をハンドバッグみたいにチョイとぶらさげてきてくれる。

「このオソバ屋の店は大きすぎら。お客というものは小さなところへゴチャ/\つめられると、あそこはハヤルとか、ウマイとか、とっかえひっかえ来るものだ。広々としたところへポツンと置かれちゃア、二度と来やしないよ。店を小さくしなさい」

「できてる店を小さくしろたって、ムリですよ。もぎとるワケにいくものじゃないです」

「バカだよ、お前は。大きい、小さいも、ひとつは感じの問題だ。イス、テーブルをゴチャ/\並べるとか、なんとか、たとえばだ、スキマというものが広さを感じさせるのだから、スキマというスキマへクリスマスツリーみたいな植木鉢をつめこむ」